連帯保証人へ電話する前に契約書と滞納記録を見比べて考え込む賃貸管理担当者

連帯保証人へ連絡する前に、整理しておきたい事実と伝え方

家賃の滞納が何か月か続いて、本人にはもう何度も連絡した。それでも動きがなく、いよいよ連帯保証人へ——。そう思って契約書を開いたところで、受話器を取る手が少し止まりますよね。

連帯保証人は、多くの場合、入居者の親御さんやご家族です。滞納を知らせれば驚くし、こちらを責める気持ちにもなりかねない。かといって、伝えずに放っておけば、金額はどんどん膨らみ、オーナーへの説明も苦しくなる。誰も責めたくないのに、板挟みになってしまう場面です。

結論:連帯保証人への連絡は、いきなり請求から入らなくて大丈夫です。まず「本人への督促を尽くしたか」「何を伝えるべきか」を自分の中で整理してから動きます。滞納額・連絡履歴・契約書の記載という事実をそろえ、責めない事実共有として一報を入れる——この順番で、角を立てずに進められます。

やることは、次の3つに絞れば十分です。

  1. 本人(借主)への連絡を尽くしたかを振り返り、滞納額・期間・これまでの経緯を書き出す
  2. 契約書で連帯保証人の記載(氏名・連絡先・極度額の定め)と、保証会社契約の有無を確認する
  3. 責めず、事実と今後のお願いだけをやわらかく伝え、やり取りを記録に残す

手順を小さく分けて

滞納額・連絡履歴・契約書の三つを机で整理してから連絡に進む賃貸管理担当者
「滞納額・連絡履歴・契約書」の三点を先にそろえると、連帯保証人への一報が落ち着いて出せる。

一度にすべてを片づけようとしなくて大丈夫です。

まず、本人への対応を振り返る。連帯保証人への連絡は、本人への督促を尽くした先の一手です。いつ・どんな手段で・何回連絡し、どんな返事だったか(あるいは反応がなかったか)を書き出します。ここが整理できていると、連帯保証人に「これまでの経緯」を落ち着いて説明できます。本人への一次対応でつまずいているなら、家賃が遅れたときの最初の一報の考え方に一度戻ってみるのもいいと思います。

次に、契約書と事実を確かめる。連帯保証人の氏名・連絡先が最新か、そして極度額(連帯保証人が負う上限額)の定めがあるかを見ます。2020年4月施行の改正民法で、個人の根保証契約は極度額を定めないと無効になりました。それ以降の契約なら、契約書に極度額の記載があるはずです。あわせて、家賃保証会社と契約していれば、連帯保証人より先に保証会社への手続きが筋になることも多いので、どちらの立て付けかをここで確認します。

そのあとで、やわらかく事実を伝える。「◯◯様の◯月分から家賃のお支払いが確認できておらず、ご連絡を差し上げました」と、事実と経緯を淡々と。連帯保証人にとっては突然の話です。責める調子ではなく、「状況を共有し、今後の対応をご相談したい」という入り口にすると、その後の話がしやすくなります。伝えた内容とお返事は、日付とともに記録に残します。

連絡の前に確認したいことの考え方

受話器を取る前に、こんな観点を持っておくと落ち着けます。

6つ全部そろえてから、と気負わなくて大丈夫です。最低ラインは「本人への経緯を整理する/契約書で保証の立て付けを確認する/責めずに事実を伝える」の3点。ここさえ押さえていれば十分で、残りは手が回るときに添えれば大丈夫です。

伝える中身で迷ったら、最初は「これまでの経緯+現在の状況+今後のご相談」の3点だけで十分です。金額の請求や法的な文言を、初回から前面に出す必要はありません。まずは事実を共有し、連帯保証人にも状況を落ち着いて受け止めてもらうことが先です。

進める前に気をつけたい線引き

分割での支払いを相談されたときの進め方は、家賃を分割で支払う相談への合意書の残し方ともつながります。

連帯保証人への一報を終え窓辺で静かに一息つく賃貸管理担当者

最後に

連帯保証人への連絡は、相手のご家族の事情まで預かる、重くて気の張る仕事です。それでも、本人への経緯を整理し、責めずに事実を共有しようとした時点で、いちばん角の立たない入り口を選べています。

感謝されにくい仕事ですが、人の暮らしとお金のあいだに立って、こじれないよう手順を尽くす——それは確かに、誰かの生活を支えている仕事です。今日は、これまでの経緯を書き出して整理するところまでで十分です。続きは、様子を見ながら一歩ずつで大丈夫です。

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